家族でキャンプを始めたいけど、テントって何を買えばいいんだろう?
色々なテントがあるけど、何が違うのかな。
今回はこんな疑問にお答えします。
- テントの種類とおすすめ
- テントスペックの注目ポイント
- まだ買わないという選択肢
今まで20年以上キャンプをやってきたぼくは、これまで色々なテントを試してきました。
今考えたら無駄な買い物だったなあ。と思うような商品もありましたが、良かったと思う商品の共通点もわかりました。
そんな経験から、これから家族キャンプをはじめようと思っているあなたに、少しでも役に立てたら嬉しいです。
と思う人は多いでしょう。
確かに、キャンプブーム以降も様々なテントが発売され、その種類は驚くほどです。
その中から自分に合ったテントを見つけるのは大変です。
そこで今回は、テントの種類とそれぞれの特徴を紹介し、選ぶ時のポイントや、自分の家族にぴったりのテントの選び方を解説します。
この記事を参考に、お気に入りのテントを見つけて、楽しいキャンプライフに踏み出してくださいね!
Contents
テントに関する基礎的な知識をお伝えします
テントはなんのためにある?
この部分は基礎知識の中でも雑学っぽい要素が多いので、そんな知識はなくてもいいよ。って人は次の「テントの種類と特徴」まで飛ばしちゃってください。
そもそも、テントはなんのために必要なのか。
いきなりサバイバル的な話になっちゃうんですが、屋外で人間が自分の命を守るために必要なものって知ってますか?
食べ物?
水?
どちらも間違っていませんが、もっと大事なものが、実はあるんです。
それは体温の維持です。
体温維持のために必要になるものを専門的にはシェルターと呼びます。
このシェルターの役割を果たせるのであれば、極端なことを言うとテントなんて必要ないんです。
世の中にはテントを張らずに寝袋だけ。もっとすごい人だと、集めた落ち葉の中に入って、枝や木の葉で風よけを作り、そこで寝ちゃうようなワイルドなキャンパーも居たりします。
そんなシェルターの役割を果たしてくれるのが、テントだったり、寝袋だったりっていうことなんです。
テントの種類と特徴
まず最初にテントの構造なんですが
テントの形を支えるためのポールなどの骨があります。
そして、内側と外側にシートがあり、それぞれインナーテント、フライシートと呼びます。
骨の素材や、テントの支え方、インナーテント・フライシートの固定方法、素材などによって様々な種類のテントに分けられます。
ここでは代表的な3種類をお見せします。
①ドーム型テント
その名の通り、テントの形がドーム状になっています。
2本のポールをクロスさせ、ポールのしなりでテントを自立させます。
- 設営は分かりやすくて、簡単。
- ドーム状になっているので、底面が広くても上の方は狭くなる。
- 天井は高くない。
②ワンポールテント
魔女のとんがり帽子みたいな形をしているワンポールテントは、モノポールテントなんて言ったりもします。
1本のポールをシートの中に入れ、テントを立たせます。
ポールを立たせて安定させるために、インナーテントかフライシートの3~8箇所を地面に固定する必要があります。
- 設営は分かりやすいが、テント底面の形通りに地面に固定しなければならず、そうしなければきれいに張れない。
- 天井は高く、背の高い人が立っても頭はつかない。
- ドーム型よりも、上の方にいくにつれて狭くなる。
③ロッジ型テント
その名の通り山小屋(ロッジ)のような形をしたテントです。
鉄製の骨をロッジの形に組み、インナーテント・フライシートをかぶせる。
イメージ的には学校の運動会で応援席に使ったテント
これに似ています。
- 設営は難しそうだが、慣れればそうでもない。
- 壁がほぼ垂直なので大きな空間を確保できる。
- 鉄製の骨がたくさんあるので重い。
家族キャンプ初心者にはずばりドーム型がおすすめ
ドーム型テントはキャンプ用のテントの中では一番オーソドックスで、多くの商品が販売されています。
メリット①
特徴のところでも説明しましたが、ドーム型はテントの作りが単純で、設営で迷うことが少ないです。
テントの設営に時間がかかってしまって、家族から冷たい視線を向けられる心配もすくないと思います。
メリット②
テントが自立してくれるので、設営後でも場所の移動ができます。
慣れないうちは、テントを立てる場所の確認も十分にできないまま、設営をはじめてしまいがちですが、そうすると、テントの中で横になってみたら
「地面が斜めだった」
「石があってゴツゴツしてる」
なんてことがあります。
こういうときに、自立するテントであれば、あとから場所の移動ができるので安心です。
メリット③
悪天候に強い
初心者のとき意外と忘れがちなのが風の対策です。
テントは軽い素材で作られているものが多く、しっかり地面に固定しないと風で飛ばされてしまいます。飛ばされないまでも、強い風が吹けば、やっぱり心配になるもので、どきどきして眠れなかったなんてことになってしまいます。
このような理由から、家族キャンプで最初に購入するテントはドーム型テントがおすすめです。
あなたの家族にぴったりのテントの選び方
テントの説明を見ると、〇人用とかって書かれていることが多いと思います。
これをそのまま読んで
「よーしうちは4人家族だから4人用のテントを買おう!」
って思ってる正直者のあなた。ちょっと待ってください。
テントの説明にある〇人用というのは、大人がその人数寝ることが可能ということで、例えば4人用のテントに4人の大人が寝ると、余裕はありません。
中には4人の大人が頭と足を互い違いにすることで寝ることが可能という商品もあります。
子供が小さいうちはそれでもいいかもしれませんが、大きく成長するころには手狭になることでしょう。
また、着替えや身の回りの物などの荷物を置くスペースを考えるとちょっと余裕が欲しいところです。
そこで、ぼくのおすすめとしては、家族の人数プラス1人を想定して商品を選ぶことです。
これなら荷物を置くスペースだって確保できるし、子供が大きくなっても使えると思います。
「うちは子供の寝相が悪くて」とか、「俺は手足を伸ばして広々寝たいんだ」とか思うのであれば、さらに大きなテントを選ぶのもありですよ。
テントの説明書きはこうやって見る!
スペックにはこんなことが書いてあります
テントの説明やスペックには選ぶ際に参考になる色々な事が書いてあります。
その中でテント特有の分かりにくい部分を解説します。
対応人数 | 上で説明したとおり、大人が寝られる人数です。 |
耐水圧 | どれだけ水に耐えられるかです。
1cm四方のテントの生地に水が乗ったときに、どれだけ水が高く積み重なった時まで水が浸み込まないかを、mmで表します。 例えば耐水圧1500mmだとしたら、水の高さ1.5メートルまで大丈夫ということです。 ぼくたちが普段使っている雨傘が、200から500程度らしいです。 |
シームテープ | テントの縫い目から水が入ってこないように、内側から貼り付けるテープのことをシームテープと呼びます。
どこのブランドなのか分からないような安物の中にはシームテープを貼っていないような商品もあるので注意しましょう。 逆に独自の技術でシームテープがなくても水が浸み込まないような商品を開発しているメーカーもあります。 |
ポールの素材 | ・木:ナチュラルな雰囲気になる。強度のあるものは重く、値段も高い。
・グラスファイバー:ポールの素材としては最も安く、強度も低い。 ・アルミ合金:最近のテントではもっとも使われることが多い。軽くて丈夫。 合金の種類によって、ジュラルミンと書かれていることもある。 ・鉄:強度があり耐久性もある。アルミ合金と比べると安価だが、重くさびやすい。 ・カーボン:軽量で強度も高く耐久性もある。他の素材に比べると高価。 |
ダブルウォールか
シングルウォールか |
テントの壁であるシートがインナーとフライシートの2枚あるか、1枚だけか。 |
こんなテントを選んでおけば失敗は少ない
上記の解説を見ても、「じゃあどんな物を選べばいいんだ?」と思いますよね。なので、ぼくだったらこういうのを選ぶよ。っていうのを参考にお伝えします。
まず、対応人数は家族の人数プラス1人にしておきます。
荷物などを置くスペースを考慮して、余裕のあるものを選ぶのと同時に、あまりに大きいと設営も大変だし、重く大きくなるので、積み込みや収納のスペースを考えるとこのくらいかなと考えます。
耐水圧はフライシートで1500mm以上を選びます。
1500mmあれば強い雨にも対応できると言われています。
耐水圧を見るときにもうひとつ確認しておきたいのはテントの底面です。
テントの中に人が入ると、人の重みで圧力がかかり、水が浸み込みやすくなります。
ですので、テントの底面はフライシートの2倍の3000mm以上を選ぶようにしたいです。
次にシームテープですが、普通に売られている大手メーカーのものは、シームテープが貼られている商品がほとんどだと思いますので、あまり気にしなくてもいいですが、リサイクルショップで購入するときや、長い間倉庫などに保管されていたものは、シームテープが劣化していないか、適当に貼られていないかをチェックです。
ポールの素材は、最も一般的なアルミであれば、よほどの悪条件でない限り困ることはないでしょう。
安く売っているテントには、グラスファイバーポールを使っているテントもあるので、使用用途によって、よく考えます。
ぼくなら、お庭キャンプや、すぐ横に車を停めてあるオートキャンプなどでなければ、グラスファイバーのポールは選択肢から外します。
最後にダブルウォールかシングルウォールかですが、これはダブルウォール1択です。
シングルウォールテントのデメリットは、テント内部に結露が出やすいところです。
ダブルウォールテントは、インナーテントとフライシートの間に空気の層をつくることで、結露を軽減してくれます。
せっかくの楽しいキャンプで、自分や家族、荷物が濡れるのは嫌なので、ぼくならダブルウォールテントを選びます。
山岳用のテントなどでは、軽さを求められているのでシングルウォールの商品が多いですが、家族で使うテントならダブルウォールが無難ですね。
その他のポイントとして、ポールをインナーテントに固定し、インナーテントが自立するテントか
ポールをフライシートに固定し、フライシートが自立するかです。
インナーテントが自立する方が一般的で、インナーテントにあるスリーブにポールを通して立ち上げる方法(スリーブ式)と、先にポールを立ち上げて、インナーテントについているフックをポールに引っかける方法(吊り下げ式)があります。
そして、インナーテントを立ち上げたあとにフライシートをかぶせます。
フライシートが自立する方式も、ポールとフライシートの固定方法はインナーテントと同じように2種類あります。フライシートを立ち上げたあとに、内側にインナーテントを吊り下げます。
フライシートが自立する方式では、急に雨が降ってきたときも、立ち上げさえ出来てしまえば、あとは屋根の下で作業ができるし、撤収時も屋根の下でインナーテントを片付けできるメリットがありますが、テント室内の上部スペースが狭くなるのと、フックやバックルの設置・撤収が意外と面倒だというデメリットもあります。
買わないという選択肢も
ここまで色々と説明してきて、こんなことを提案するのもどうかと思うのですが。
なかなか決めきれないという人も居るんじゃないかと思います。
そんな人は、まだ買わないで色々見てみましょう。それからよく考えて決めればいいんです。
キャンプ場に実際行ってみると、様々なテントを見ることができます。また、アウトドアショップに展示してあるテントを見てみるのもいいと思います。
色々なテントを見ているうちに、やっぱり欲しい!という気持ちになってくるはずです。
車中泊してみる
「いきなりテント泊はちょっと心配」なんて思ってる人におすすめなのは、車中泊です。
上でも説明した通り、シェルターの役割が果たせるのであればテントはなくてもいいんです。
車はシェルターとしてはかなり優秀だと言えます。なんといっても、鉄でできていますからね。
安心感も違います。
そういう意味では、車は鉄テントって言えます。
これまで何度もキャンプをしてきたぼくも、「今日はテント張るのめんどくさいなあ」なんて思うことがあります。そんなときは車中泊で済ませちゃうんです。
そのために、ぼくの車はいつでも車中泊ができるようにこんな感じにしています。
車中泊をするために問題になるのは、車の中をいかに平らにするのかです。
最大リクライニングしても、座席で一晩寝るのは、さすがに疲れてしまいます。
シートを倒したり、収納したりして、できるだけ広い空間にしたら、クッションや板を使って平面をつくります。
平面さえ確保できれば、あとは寝袋なり、自宅で使っている布団なりを持ち込めば、一晩過ごすことができるでしょう。
さらにマットレスなんかを持ち込めば、寝るにしては十分な場所ができあがります。
テントのレンタル
利用するキャンプ場の中には、キャンプ用品のレンタルができるところがあり、テントもレンタルできるキャンプ場があります。
ただし借りられるテントは、必ずしも思い通りのテントを使えるとは限らず、古いものであったり、好きなものを選べないということもありますので、事前にキャンプ場に確認してみましょう。
また、最近ではインターネットでテントのレンタルサービスなんかも増えてきました。
好きなものを選べるし、帰ってからテントを干したり、メンテナンスしたりといった、面倒なことはすべてお任せにできます。収納スペースのことも考えなくてもいいですしね。
まとめ:テントに関する基礎知識
今回は、テントを購入するうえで気になる、基本的な知識を解説しました。
- テントの役割とテント各部の名称
- テントの種類と特徴
- 初心者パパにはドーム型テントがおすすめ
- テントの対応人数は家族人数プラス1人を選ぼう
- 耐水圧は1500mm以上を選ぶ
- ポールはアルミ製
- ダブルウォールのテント
- インナーテントが自立するものとフライシートが自立するものは好みで選ぼう
- 車は鉄テント。車中泊なら初めてでも安心。
- 最初はレンタルサービスで試してみる
最初のうちはテントの違いなんかよくわからないですよね。
ぼくも最初のうちはよくわかりませんでした。
いろんなテントを見ていくうちに勝手に覚えていくものなので心配はいりません。
今回は、テントを比べるときに気になる項目を分かりやすく解説しました。テント選びの参考にしてくださいね。